EVERYDAY
NOTES - archive - 2011 october
10月31日(月)
午前中、メールなどの雑務。膝とふくらはぎと太ももがパンパン。マラソンの筋肉痛は思った程ではないが、やはり階段の上り下りがつらい(特に下り)。いやはや、何とも。
凱風館に行って、大阪マラソン完走のメダルを首からかけて、職人さんたちにも祝福してもらう。朝から道場に琉球表の畳が敷かれて、いぐさの匂いがとっても心地よく、ついに道場が完成する。門の工事も急ピッチに進み、玄関周りがおさまっていく。
午後、玄関の瓦も敷き終えて、職人さんたちが現場を後にする。2つの立派な玄関が完成した。二階の珪藻土の壁もいよいよ最終段階に突入。仕上げ工事が進み、みるみる空間が立ち上がっていく。
10月30日(日)
第一回大阪マラソン当日。凱風館の竣工を記念して、エントリーした2年ぶり4度目のフル。沿道の皆さんのかけ声に助けられ、ゆっくりと大阪の街を走り抜ける。普段車からしか見れない大阪の風景を3万人のランナーと共有する喜びを実感。御堂筋を走ったのがやはり最も印象的。35キロ以降、かなりきつくなり凱風館のたすきも幾度となく握りしめたもんだ。でも、沿道では両親も応援に駆けつけてくれて、みつけることができ、どうにか完走することが出来た。
マラソンというスポーツは、嘘のつけない実に正直なもの。「走った距離は裏切らない」とは五輪金メダリストの野口みずき選手の言葉に納得。
ゴールして間もなく、雨が振り出し、圧倒的疲労感と少しばかりの達成感に浸りながら帰路につく。今日ばかりはごちそうということで、両親と3人で寿司を食べた。帰宅後、ゆっくりと風呂に入り、脚のマッサージをほどほどに就寝。半年前に「凱風館竣工記念」として思いつきでエントリーした第1回大阪マラソンを無事に走り切ったので大変嬉しい。さ、あとは本当に凱風館を竣工させて、2011年という最高の1年を締めくくりたい。
10月29日(土)
午前中、凱風館にて木工事の最終打ち合わせ。手すりや塀についてもデザインを決めて、敷き瓦の工事も進められる。続けて、テキスタイルデザイナーの安東陽子さんが来て、道場のロールスクリーンや二階のカーテンについて一通り打ち合わせして決めていく。次、安東さんが来るのはオープンハウス前日。いよいよ、完成という前に最後に作業してもらうのが安東さんだ。楽しみ。
午後、隈事務所藤原さんが出張の合間に現場を見に来て頂く。SDレビューでも作品を見てもらったので、工事中とはいえ、実際の空間を体験してもらい、あれこれと感想を伺う。同業者に見てもらい、コミュニケーションを計るのが一番の栄養。しっかりと最後の仕上げ工事も頑張りたい。
明日はいよいよ大阪マラソン、さてどんな風に大阪の街は語りかけてくるのだろうか?そんな声を聞く余裕があるのだろうか?何だかとってもわくわくする。
10月28日(金)
午前中、メールなどの雑務。凱風館でしっかりとデッキや塗装の工事を確認。細かい工程の話も調整しながら、仕上げ工事が進む。来週には道場を引き渡し、お稽古が始まると思うと信じられない想い。
夕方、大阪マラソンのゴール地点であるコスモスクエアに行って、当日のゼッケンを引き換えにいく。ランナーたちが沢山いて、いろんなブースがあり、興奮が伝わってくる。ついに大阪を走る時がすぐそこに来て、緊張してくる。どきどき。
10月27日(木)
午前中、メールなどの雑務をし、ゆっくり過ごす。午後、今日は久しぶりのオフということで、特別公開中の孤篷庵に脚を運ぶ。父との二人旅。ジャズを聴きながらのドライブで京都まで。久しぶりに運転しを楽しむ。
小堀遠州のつくった空間は実に明快で潔く、日本建築の軽さと庭との関係に目を引かれる。あまりの美しき光についつい孤篷庵を3周も見学する。内部と外部の関係、目線を動かせる変化に富んだシークエンスに言葉を失う。
夜は、母親とも合流し、イタリアンを食して週末のマラソンに向けて栄養をつける。カーボローディング。しかし、関西には大阪があり、奈良があり、京都がある上に、神戸もある。個性豊かな都市がそれぞれ寄り添っていて実に魅力的。街から流れる関西弁も心持ちを穏やかにしてくれるのだろう。
10月26日(水)
朝一の電車で三宅接骨院へ行って、三宅先生にぐりぐりしてもらう。日曜日の大阪マラソンに向けて腰と膝の右側にたまっていた疲労をほぐしてくれた。現場では本棚の新しいアイデアをスケッチしてまとめる。昼前、内田先生夫妻と現場で打ち合わせ。門の看板やインターホン、道場の杖置きや名札板、玄関の靴箱、書斎の本棚、照明、収納の仕切り棚、などなどたっぷり打ち合わせ。内田先生も仕上がりつつある凱風館にワクワクしているようだ。最後に大阪マラソンを走るのに「たすき」に応援メッセージを描いて頂く。
午後、ガーデンテラスのデッキや手すりについて、照明の諸々のチェックをして、門の細かいディテールを決定していく。山本浩二画伯による「老松」の制作状況を確認して、その空間との対話が日に日に強くなっていくのを感じる。画伯にも「たすき」に筆を入れてもらった。夕方、画伯の教え子さんらが見学に来たので案内する。凱風館初体験の方々の率直な感想は大変勉強になる。12日のオープンハウスが楽しみだ。みなさま、ぜひお越しください。<凱風館・オープンハウス特設ページ>
夜な夜なメールなどの雑務。深夜、10キロ程ランニングをして、最後の調整をする。風呂に入って爆睡。
10月25日(火)
午前中、心斎橋にて照明のショールームをチェック。いくつかの候補を絞り込んで確認していく。明日の打ち合わせで決定できるように実物の商品を確認した。昼は、ふらっと入ったイタリアンでクリームパスタ大盛りを食してカーボ・ローディングをスタート。
午後、凱風館の現場へ。門の建て方を確認。デッキや手すりの打ち合わせ。左官の壁もいよいよ二階に入ってどんどん進んでいく。下塗り、中塗り、仕上げと大変だ。その横では建具や家具が塗装されていく。山本画伯の「老松」制作もいよいよ佳境に入る。
夜、メールなどの雑務。明日の打ち合わせの為に門の看板やインターホンのデザインをまとめていく。スケッチで検討し、図面化。深夜遅くまで作業してたら、流石に走りに行く気力はなくなった。
10月24日(月)
徹夜で始発の新幹線に飛び乗る。爆睡。まるでワープしたかのように一瞬で新大阪。凱風館の現場へ。外構の進め方や工程に関してみっちり打ち合わせ。玄関周りのディテールをチェック。現場監督さんも3人体制になって、かなり急ピッチに追い込みがかかる。中島工務店のこの連帯感、エネルギーのかかり方に、胸が熱くなる。何より、納得のいく空間が立ち上がっていて早くも感無量。
夕方、内田先生の奥様と打ち合わせをし、今後の方針が見えてきて、いよいよマラソンで言うと競技場が見えてきた感じ。その後、塗装の色味などの検討をし、道場の幕板を塗る。調合に時間がかかり、気がついたら夜になっていた。
新幹線での睡眠のみだったので、一日中、なかなかハードな現場であったが、諸々の車輪をしっかりと回しながら進められていて充実の疲労感の中、倒れ込むように寝る。
10月23日(日)
午前中、メールなどの雑務。昼から銀座で所用。『計画と無計画のあいだ』(三島邦弘、河出書房、2011)を読み終える。本づくりに対する想いが切実と伝わってきて、同世代としてとっても刺激になる素敵な本だった。計画線と無計画線の間に「自由」があるというスケッチが三島さんのやろうとしていることの本質があり、それがベルリンの壁の構造に類似していて印象的だった。
午後、王子ホールにて、森永一衣さんのリサイタルを聴く。全ての曲が素晴らしかったが、特にヘンデルの曲が印象に残る。音楽が心を洗浄してくれるようで素敵なひとときを過ごす。夕方、山本画伯らと打ち上げの食事にも誘って頂き、美味しい中華料理に舌鼓を打ちながら、あれこれとお話しする。
夜、事務所に戻って、仕事。深夜、日付が変わったということで正式に「凱風館完成披露記念イベント」の詳細を公表する。<凱風館・オープンハウス特設ページ>11月12日(土)、沢山の人を案内したいと思うので、申し込みの上、どうぞお越し下さい!
深夜、目黒川沿いをゆっくりランニング。先ほどの中華を食べ過ぎたせいか、当然身体が重い。丁度来週には大阪マラソンだと思うと恐ろしい。夜空を見上げると、三日月がとっても綺麗だった。
10月22日(土)
東京は朝から雨、グレーな一日。午前中メールなどの雑務。リノベーションの減額案についてあれこれ思案する。図面をブラッシュアップして、打ち合わせの準備を進める。現場との電話対応が続く。とにかく工期のギリギリの調整で、現場では追い込み作業が続く。
午後、デスクワークと打ち合わせ資料の準備。夕方、中島工務店の見積り担当者が来所。みっちり打ち合わせの後、共通認識に立ち、続けてお施主さんが来所。細かいポイントを打ち合わせ。大方の方針としては、まとまりそうだったが、肝心のマンションの引渡に問題があり、工事着工が遅れてしまう。これからの進め方を確認しながら、打ち合わせを終了。
夜、久しぶりに目黒川沿いをランニング。半身風呂で更に汗をかいて身体を絞る。いよいよ来週はフルマラソンだ。
10月21日(金)
午前中、メールなどの雑務と電話対応。現場では壮絶な追い込み作業が続いているようだ。一つの建築を時間(工程)通りに仕上げるのは本当に至難の業だ。
昼、今週の現場レポートを作成し、オープンハウスの資料を準備する。三宿リノベーションの見積り減額案のチェックとトイレのレイアウトのバリエーションを幾つか試す。夕方、明治大学へ。中沢新一さんが新しく立ち上げた野生の科学研究所の開所記念鼎談、内田樹×平川克美×中沢新一「がんばろう日本の野生」と題したシンポジウムを聴き、続けて懇親会にも参加。内田先生と短い打ち合わせをし、中沢さんなどとご挨拶。とても気さくな方で、中沢さんのおっしゃる「野生の科学」という部分においては、建築も大きなポテンシャルがあるのではないだろうか。凱風館でいうと、直人さんの林業の話や井上さんの土の話もどこか伝承されなければならない強度ある物語なのだ。そういえば、伊東豊雄さんと安東さんと会い、ご挨拶。また新しいたくさんのご縁が生まれた素敵な宴であった。
夜、デスクワーク。明日の打ち合わせの準備などに追われる。午前中作った資料の修正箇所を早速反映し、再送信。「ほぼ日」原稿も送信。おやすみ。
10月20日(木)
午前中、ぐっすり寝る。メールなどの雑務と電話対応に追われる。諦めないで、新しいアイデアを盛り込む。
昼、日大船橋校舎へ。ベーシック建築デザインの授業で、各自の作品をそれぞれエスキース。まだ思考を深めて形にすることの意味が分かってないのと、図面化する能力が低く、まとまりきれてない。でもま、最初の週なんで、こんなもんか。飛躍を期待したい。
夜、思い立って『ダンシング・チャップリン』(監督:周防正行、2011)を観る。先日他界されたフランスの巨匠振付家ローラン・プティのバレエを映画作品にまで作り上げた傑作。何よりチャプリン役のダンサー、ルイジ・ボニーノと草刈民代が素晴らしかった。最初のドキュメンタリータッチの感じも成功していたように思う。
深夜、凱風館のあれこれ工事の目処を立てる。読書して寝る。
10月19日(水)
午前中、凱風館にて左官壁の進め方の打ち合わせ。昨日、運び込まれた収納/建具の塗装の色味の確認作業を終え、老松制作中の山本浩二画伯をランチ。
午後、画伯の制作について過程のレクチャー、僕がいうのも何だけど、画伯の向かっている、目指している射程の遠さにとにかく脱帽、深く感動する。完成への一歩としてついに本番の線が描き込まれ始める。制作中の画泊からは鬼気迫るものがあり、道場にはただならぬ緊張感が走る。まだ未完だが、既に画泊の描く老松が道場の空間の「鏡」として機能し、僕の目にはあの老松の絵の中にそっくりそのまま80畳の道場の空間が引き込まれるように描き込まれているように、さも「鏡」であるかのように鎮座している。これは、画伯の最高傑作になるに違いない。
夕方、凱風館の現場を後にして本町の影浦事務所へ。加子母村で作られた檜の合板から出来たテーブルの制作・設置をする。梱包を解き、インパクトで各バーツを所定の位置で固定していく。90分で片付けまで終え、檜の香りが漂う、広くて立派なデスクが完成。新幹線で帰京。車中、『計画と無計画のあいだ(三島邦弘、河出書房、2011)』を読み進める。若き編集者の出版社立ち上げのお話だが、「編集」を「設計」に、「出版」を「建築」に、「編集者」を「建築家」に変えたら、あたかも自分の物語のように読めて大変面白い。
夜、ほぼ日の原稿をチェックバックして送信。さすがに疲れも溜まり、慢性的睡眠不足など体調も万全でないので今日も走らずに風呂に入って寝る。
10月18日(火)
午前中、凱風館の現場にて漆喰壁の打ち合わせ。素敵なトイレが塗り上がる。そうこうしてたら、トラック4台分の家具が現場入り。内田先生の書斎の窓からどんどん搬入されて、洗面台やら本棚、建具類が凱風館に届き、一気に現場が活気づく。
午後、芸術新潮の前田さんと筒口カメラマンが登場。井上左官職の仕事の取材と撮影、続けて山本浩二画伯の老松制作の取材と撮影をする。現場入りした家具の塗装について打ち合わせ。細かい微調整の対応に追われる。門の基礎工事がスタートし、夜には階段室のLED照明の打ち合わせもする。
遅れて甲子園球場へ。阪神対ヤクルトを見るも、監督辞任と首位争いするチームでは選手の覇気も違い、あっさりと4-0で負ける。もはや来年の阪神ターガースの戦いに早くもマインドをシフトしないといけないようだ。現実を重く受け止めて、どうも梨田監督になるようだから、一から出直しのつもりで強い阪神を取り戻してもらいたい。星野監督復活ってのが虎党の思いのはずだが、いやはや何とも。
10月17日(月)
午前中、凱風館にて井上さんと壁の仕上げ方について打ち合わせ。一つ一つの壁の仕上げ方について入念に話し合う。継ぎ目がうまく塗り込めなかった階段室の漆喰は剥がして塗り直してもらうことになった。材料を入念に作り込んだ井上さんの思いを考えると心が痛むも、やはりあの表情では来客をウェルカムすることはできない。井上さんもそう思っていたので、嫌な顔一つしないで対応策を練ってくれた。これぞプロの仕事、プロの決断。
昼、内田樹先生と設計の打ち合わせ。テキスタイルデザインについて、水洗器具について、各種塗装の色味について打ち合わせの後、老松制作をはじめた山本浩二画泊からその説明とエスキーススケッチの数々を見る。とにかくわくわくする物語が今、道場から生まれようとしている。
夕方、中島工務店の神戸支店長鷲見さんと明石まで行って、竣工したばかりの無量光寺を案内してもらう。ご住職の小川さんも紹介して頂き、保田與重郎先生のお話を始め、仏教について、とても貴重なお話を聞かせてもらい、そのまま食事まで招待される。中島工務店施工という、凱風館と無量光寺は兄弟建築であり、こうしたご縁は大変に有り難いこと。これからも精進したいと、身の引き締まる思いになる。
深夜、奈良の実家に帰って、風呂に入ってすぐに寝る。久しぶりに8時間寝ることが出来て、脱皮したかのような気分。
10月16日(日)
午前中、メールなどの雑務。新幹線に乗って神戸へ。凱風館の現場では左官職人さんが日曜日にも関わらず書生部屋の窓枠の洗い出しを仕上げていた。内部の壁の乾燥具合なども確認し、今後の進め方の打ち合わせをする。
午後、甲南麻雀連盟定例会「御影ファイナル」に参戦。思えば2009年からお世話になった思い出の場所であり、たくさんの楽しい思いをさせてもらった。3卓囲みながらの麻雀はあっという間に夜が更ける。4戦1勝と普通の打率だが、このマンションの一室でわいわい麻雀することがなくなるかと思うと寂しい。大変楽しませてもらった。最後の局も大いに盛り上がる。
夜、山本画伯と帰宅。白熱し過ぎて終電を逃すも、山本先生と老松制作など色々とまたゆっくり話すことが出来て深夜まで有意義な時間を過ごす。
10月15日(土)
午前中、メールなどの雑務。昼、お茶の水にて高校時代の友人の結婚式。懐かしい面々とも再会し、楽しい近況報告。結婚式も披露宴も、実に和やかで新郎らしい楽しい宴であった。
夜、三宿リノベーションのお施主さんと打ち合わせ。減額案の具体的な検討とデザインの変更ポイントをリストアップ。できることをしっかりと押さえて、実現までこぎつけられるように頑張る。深夜、目黒川沿いをランニング。気持ちいい汗をかき、出張の準備を夜な夜なまとめていく。仕上げ段階の現場に行くのが楽しみで仕方ない。
10月14日(金)
午前中、メールなどの雑務。三宿リノベーションのブラッシュアップ。新しいガーデンテラスのアイデアを進めていく。午後、ほぼ日の原稿を最終チェックして送信。
夕方、渋谷で打ち合わせ一本し、門脇さんの呼びかけでSDレビューレビューなるイベントに参戦。今年のSDレビューをレビューするという建築筋トレイベント。藤本事務所の元番頭の青木さんや隈事務所の藤原さんなど10人で熱い建築談議に花が咲く。凱風館についても貴重の批評を頂き、大変刺激になった。深夜、みんなでラーメンを食して締める。
10月13日(木)
SDレビュー大阪展のために内田樹先生から頂いた胡蝶蘭を持って、始発の新幹線で帰京。事務所に荷物を置いて、メールなどの雑務。昼、日大船橋校舎へ。ベーシック建築デザインの第一課題提出。その後発表と採点。みな、それぞれに課題に取り組んでいるのだが、まだ絶対的な建築の体力が足りないという印象が強い。やりたいことを建築で表現するための抽象化というステップが難しいとのこと。直接的なアドバイスをした学生が延びていた。
夜、三宿のリノベーションの見積りチェック。細かいポイントを確認しながら、減額の可能性を探る。深夜、目黒川沿いをランニングし、ほぼ日の連載原稿を書き進める。
10月12日(水)
午前中、凱風館で打ち合わせ。取材を一本。現場で今後の進め方についての打ち合わせ。和室をはじめ、壁の仕上げや細かいディテールについて。
夕方、中之島の堂島フォーラムにて開催中のSDレビュー最終日の最後に滑り込み。友人などを案内し、凱風館の模型を木箱に入れて撤収作業をする。夜、ひょんなことから建築家の島田陽さんに誘われて食事。楽しく建築談議に花を咲かせていたら最終の新幹線を逃し、神戸泊。しかし、同業者の友人が極端に少ないのでこうした宴は刺激になった。
10月11日(火)
朝一の新幹線で神戸へ。凱風館の現場は、ついに足場が取れた。外から見たら綺麗な漆喰の壁が姿を現していた。感無量。いよいよ完成までカウントダウン。午前中、現場監督の加藤さんと打ち合わせ。井上左官職は土を混ぜて壁の素材を丹念につくり、道場の内部の下塗りからスタート。
昼、内田先生の奥様と照明や和室について打ち合わせする。引き続き、淡路島から山田脩二さんが現場に来て、瓦のデザインについて話し合う。ついに山本浩二伯も老松制作を始動。現場にピリッとした空気が流れる。夕方まで門やバルコニーのディテールについてみっちり打ち合わせ。いよいよ竣工まで1ヶ月、現場のボルテージが上がっている。
夜、奈良の実家に帰ってメールなどの雑務。打ち合わせのフィードバックや諸々の仕事をまとめていく。全日本サッカーはタジキスタンに8-0の完勝するも、阪神が巨人にサヨナラ負け。CS進出は難しくなったが、試合数も多いし、諦めずに頑張ってほしい。明日も朝から忙しいので早めに寝る。
10月10日(月)
体育の日。午前中、メールなどの雑務。中島工務店が来所、三宿リノベーションについての打ち合わせ。見積り調整について、あれこれと減額案について話し合う。昼、クライアント夫妻が来所。早速見積もり第一案を見ながら、これからの進め方について説明。時間をかけながらも、優先順位を決めて、できるところからまとめていくことを約束する。午後、テキスタイルデザイナーの安東陽子さん来所。凱風館のカーテンについての見積りと工程、ディテール・デザインについての打ち合わせ。気がつけば、昼飯も食べずに、6時間ぶっ続けで打ち合わせ、ヘトヘトになるも充実した結果。
夕方、新橋にて金沢百枝『イタリア古寺巡礼フィレンツェ>アッシジ』(新潮社、2011)の出版記念パーティーとして企画された「中世の宴」に参加。中世の料理を食べながら、コントラバスの演奏があり、保田保さんに『夢十夜(第三夜)』の能があり、金沢さんのスライドレクチャーと盛りだくさんの素敵な宴。橋本麻理さんの誕生日ということもあって、30名程でワイワイ盛り上がる。初対面の方も多いが、どこか共通項があり、楽しい時間を過ごし、エネルギーをもらった。頂いた本、イタリア古寺巡礼を早速帰りの電車で読み始める。大変読み易く、アッシジは僕が今いきたい街トップ5に入るので、読んでると無性に旅に出たくなる。スケッチブック片手に旅に出たい。
夜、帰って仕事。議事録や打ち合わせ準備を進める。出張の荷造りも完了。深夜は、目黒川沿いをランニング。ペース配分を考えて6キロの走りで気持ちよく汗をかいて、寝る。
10月9日(日)
午前中、メールなどの雑務。昼、恵比寿でランチ。楽しくリラックスした時間を過ごす。午後、中学時代の友人の結婚式。大変ハッピーな時間を過ごす。20年来の友人が幸せ一杯で素敵なウェデングで元気をもらう。いよいよ独身でいることがマイノリティーになりつつある年齢であることを実感。
深夜、見積り資料の減額ポイントを絞り出す。一つ一つ、小さな項目を見つけては検討を重ねる。半身浴して身体を温める。
10月8日(土)
午前中、メールなどの雑務。昼、三宿リノベーションの見積り調整。あれこれと減額案を考える。凱風館の道場の名札板をスケッチして図面化。夕方、デスクワークを片付けて、来週の打ち合わせ準備やスケジュール調整を進める。
夕方、再度三宿リノベーションの図面チェックと見積り調整。ホームページのアーカイビング作業。夜は、読書。『大人のいない国』(鷲田清一・内田樹、プレジデント社、2008)を読み終わる。言葉遣いは違えど、お二人の軽快な掛け合いの中に共通する思想が大変示唆的で、読み手が各々の分野で租借できるのが多くの共感者をみつけるのだろう。深夜、目黒川沿いを1時間ちょっとランニング。3週間後にフル走れる気がしない。とほほ。
10月7日(金)
午前中、メールなどの雑務と現場とあれこれ電話対応。打ち合わせ項目を整理して、一つ一つチェックしていく。昼、三宿リノベーションの見積り調整が続く。家具の見積りがまとまって、発注をかける。
夕方、横浜黄金町へ。「漂流する映画館」というイベントで『5Windows(瀬田なつき監督)』を観る。5カ所に点在するスクリーンにそれぞれ断片化された映像作品が漂流しながら見られるという不思議都市体験。4人の物語をそれぞれの視点で紡いだ映像が観客を5つ目の窓として想定し、日常の新しい発見を誘発してくれる。僕は初めての黄金町体験だったが、とても刺激的で面白かった。こうした試みはいろんな場所で展開できそうで示唆的だった。
夜、ドイツから一時帰国中の友人や来年パパとママになる友人カップルと食事会。みんなとはニューヨークで出会ったのだが、とにかく息が合う。笑いまくって盛り上がる楽しい宴となった。
10月6日(木)
朝、スティーブ・ジョブスの訃報を知る。学生時代から、というかパソコンというものを使い始めてからの筋金入りアップル・ユーザー(初代iMacから)としては大変残念なことであるが、一つの大きな時代が終わったのかもしれない。彼の成し遂げた偉大な功績は誰もが認めるところだろう。唯一無二の存在であったことは確かであり、追悼の念で伝説となったスタンンフォード大学卒業式でのスピーチを再見。イノベーションの可能性を示してくれたので、残った者としてそのDNAらしきを各々が受け止めて引き継いでいけたらと願う。しかし、56歳は若すぎる、絶対。心より冥福を祈りたい。
午前中、メールなどの雑務。昼、日大船橋校舎へ。ベーシック建築デザインの授業にて学生のエスキース。少しずつ彼(女)らのアイデアを拾い出し、発想の転換を即す。それぞれが創作課題という新しいことに挑戦しているので、頑張ってもらいたい。
夜、事務所に戻って仕事。三宿リノベーションの見積りたたき台が届く。これはなかなか大変な数字だが、コツコツ頑張らねば。デスクワークが続く。
深夜、目黒川沿いをランニングの後、ゆっくり半身浴をしたら、寝られなくなってしまう。
10月5日(水)
朝からずっと雨。午前中、メールなどの雑務。昨日の打ち合わせの議事録を作成して送信。これからもポイントが整理できたので進めていく。三宿リノベーションの図面を進める。凱風館の工程を確認しながら、細かいポイントを決めていく。一日中雨で走ることが出来なかった。
『藤本読本』(A.D.AEDITA、2011)を読み終わる。何となく想像していた部分とそうでない部分とがあり、若い建築家の活躍は下の世代のハードルを上げてくれるので、しっかりと勉強したい。
10月4日(火)
朝一で凱風館に向かう。現場で台所のタイルデザインをスケッチ。すぐに内田樹先生夫妻が来て、打ち合わせ。玄関の門について提案し、インターホンやポストのことも含めてあれこれ決めていく。台所タイルについても、決定し、これからの進め方についても打ち合わせ。
昼、外部の左官工事をチェック。井上左官職が黒い洗い出しの壁を仕上げていく。濃厚な密度のある壁が建ち現れ、窓枠も大変効果的に完成していく。午後、現場監督の加藤さんとみっちり打ち合わせ。設備機器や照明器具についても話し合い、竣工に向けてしっかり工期を確認して、和室や道場、雨樋についても細かいポイントをチェック。
夕方、新幹線で帰京。読書も程々に寝入ってしまう。夜、メールなどの雑務と三宿リノベーションや家具デザインの見積りについて電話対応。夜、デスクワークをしながら、これからの予定を調整していく。深夜、目黒川沿いをランニング。CWXを初めて履き、とても気持ちよく走れたものの、雨に降られて1時間弱で切り上げる。2011年も残り3ヶ月、ジェットコースター・イヤーをしっかりと締めくくりたい。
10月3日(月)
午前中、メールなどの雑務を経て、凱風館の現場へ。車中、『藤本壮介読本』(A.D.AEDITA、2011)を読み始める。幼い頃の話から始まって建築家・藤本壮介になるまでをご本人がインタビューの中で語っていて、年齢が少し上のリーディング・アーキテクトの話は大変興味深い。建築家への道、それぞれのキャリアの積み方は十人十色ということを実感。とにかく良い建築を持続してつくる方法を見つけた人が強い。きっと人間力も大切だが、建築のもつ力の強度をいかにして空間の中に宿らせるか、本物だけが生き残るのだろう、と自戒を込めて思う。
凱風館では、井上左官職が玄関周りの黒い洗い出しの壁を作り込む。丹念に材料を調合。昼、淡路島から山田脩二さんが現場入り。外構の瓦についてみっちり打ち合わせ。方向性がほぼ決定し、来週には最終的な数量と見積りを約束する。午後、引き続き打ち合わせ。細かいポイントを話し合い、家具や門、塀についても検討。その場の話し合いでアイデアが盛り込まれていく。気がつけば外はすっかり暗くなっていた。
夜、奈良に帰って仕事。門のスケッチをして明日の打ち合わせ準備。深夜、すっかり涼しくなって走り易くなった中、半時間のランニング。読書しながら寝る。夜空に綺麗な半月が浮かぶ。
10月2日(日)
午前中、メールなどの雑務と家具の見積り調整、三宿リノベーションの進行についてあれこれ考える。午後、打ち合わせの議事録や現場レポートの作成を進める。
夕方、スポーツ用品店で念願のCWXを購入。本屋に寄って3冊ほど目にとまった物を買う。夜、のんびり1時間ほどランニング。思ったより坂道が多く、ヘトヘトになる。食事制限をして、あと2キロ落としたい。読書して早々になる。
10月1日(土)
ぐっすり寝て気持ちのよい目覚め。今日から10月。2011年もいよいよ残り3ヶ月。午前中、メールなどの雑務もほどほどに大阪へ。堂島フォーラムにてSDレビュー展のシンポジウムとオープニングへ。凱風館の模型とプレゼンの前で来場者とお話する。凱風館に関わる方々や友人、知人、両親までたくさんの人が来てくれた。オープニング・パーティーでは入選者が一人一人マイクを預かり一言ずつご挨拶。自己紹介の後、凱風館にまつわる物語、みんなの家としての建築の可能性についてお話しする。
夜は、中島工務店の現場監督の加藤さんや山本浩二画伯らと日本食を食べながらの打ち上げ。話題は多岐に渡り、とにかく皆さんと楽しい時間を過ごす。SDレビュー入選をまた一つの糧にしっかりと精進して頑張りたい。
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