『EVERYDAY NOTES』

 
 

OPENNING NOTE


 大学院卒業と共にポートフォリオの入った黒いトランク一つで欧州に行きました。尊敬する建築家に手紙を書いて、就職を求めるという冒険。先が見えない状態だったけど、不安よりも楽しみや期待の方が大きかったなと思う。そして、第二希望のベルリンの設計事務所で仕事を見つけた。それは本当に大きな冒険のはじまりでした。孤独からはじまったベルリン生活も四年弱の時間を経て、語りつくせないほどの貴重な体験をさせていただいた。仕事でも良質な経験を積み、何より多くの人との出会いが今までの僕に絶えずエネルギーを与えてくれた。そんなベルリン生活の初日から毎日続けているのが小さなノートに手書きで日記をつけることだった。自分の新しい生活を記録したかったから。


 これから建築家として東京に拠点を構えさまざまな仕事をするにあたり、自分という個人を少しでも分かってもらえるために、また自分の生活を記録することで客観的に自己批評できる材料としてもここに日々の生活を公開したいと思う。今までのように万年筆で紙に書くのではなく、キーボードを叩いてネット上で毎日ノートを書いていくつもりです。

 まだまだ至らないところも沢山あるかと思いますが、多くの皆様に出会ってきたからこそここまでやってこられたと思っています。これから先も更に多くの方々とお会いするのを楽しみに、周りの方々への尊敬と感謝の気持ちを忘れずに毎日精進していきたいと思っていますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。


2008年11月 光嶋裕介 東京 

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